ブロカール・ピエールが拠点を置くのは、コート・デ・バール地区でもシャブリ地区に近い「セル・シュル・ウルス村」。一般的なシャンパーニュの土壌であるチョーク質の土壌ではなく、シャブリ地区と同様のキメリジャン期やポルトランディアン期の粘土質石灰土壌を持ちます。この粘土質石灰土壌は、ピノ・ノワールの栽培に適すとされ、この地で収穫されたピノ・ノワールは、力強い果実味とふくよかなボディ、繊細なミネラルをシャンパーニュに与えます。ブルカール・ピエールは、このセル・シュル・ウルス村に6.5haのブドウ畑を所有。年間生産量は、55,000本です。　ブロカール・ピエールは、農作業では化学肥料や農薬を使用しないビオロジック（認証は申請中）を採用。一部ビオディナミの行程も試験的に採用しています。また、醸造においても、テロワールの表現の障害になると考える添加物の使用を避け、同地区の自然派シャンパーニュの造り手「フルーリー」に習い、「酸化防止剤（亜硫酸塩）」の添加も、年々少なくすることに成功しています。さらに、プレステージラインは、全てプルミエキュベのみの使用（※プルミエキュベ：シャンパーニュ規定上の一番搾りの果汁。4000キロのブドウから2,050ℓ絞ることが許されており、2番搾りは、タイユと名付けられます。）。発酵は、全て天然酵母によるもの。自然に起こる発酵であるマロラクティック（乳酸）発酵は、全てのシャンパーニュで行います。また、もう一つのこだわりとして、「長い瓶内熟成の期間」も設けており、スタンダードのトラディションで約3年。プレステージラインは、ヴィンテージにより4年～8年を費やします。彼のこだわりである「一番搾り」「単一年」「単一品種」「長期瓶内熟成」を反映させた「コントレ・ノワール」や「ビュル・ブラン」、さらに彼の信念である「無介入」「無添加」を追求した「レガレ」（ドザージュ0ｇ/ℓ、醸造中亜硫酸塩無添加）は、ヨーロッパを中心に高い評価を受けています。　また、彼のみしか造っていないとされる唯一無二のワイン、酸化防止剤無添加で造り上げた自然派コトー・シャンプノワ（シャンパーニュ地方産赤ワイン）も注目のワインです。（年間生産量約500本）